カオスラウンジ(中)
前半からの続き。
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高橋コレクション日比谷を出て、このカオスラウンジの展示をどう捉えるべきなのか考えていた。この時点で今回の展示を判断することは自分には難しかった。そのとき唯一言えたことがあるとすれば「なんだ、そう遠くにはいっていないじゃないか」ということだった。注目度を除けば、彼らが時代の中で突出して先端にいるわけではなく、作品も作品の見せかたも自分たちとそう変わらない位置にまだいる。そう思った。なんにせよ、翌日のGEISAI大学で黒瀬さんの講演を聞きに行くから、まずはそれからでないと判断は難しかった。
仕事をおえて家に帰ると、村上隆がGEISAI#14のときのように翌日のGEISAI大学をパワープッシュしていた。そのときにわかったのは、村上隆って人は事前にとにかくハードルを上げ、その高いハードルに自分を合わせて「出来事を作っていく」人なのだということだ。村上隆は翌日の講演をアオって盛上げているけれど、Twitterの発言をみる限りでは、村上隆自身も黒瀬さんが翌日の講演でなにを話すかは知らないようだったし、それでこのアオりかたなのだから「この人マジで怖い」と思ったし、同時に「マジでスゴい」とも思った。
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そして翌日。自分は今回のGEISAI大学、第1週目の福嶋亮大さん、第2週目の浜野智史さんの講演も受講してました。そして3週目、トリとして黒瀬陽平さんの講演を聞きにいきました。
まずは「カオスラウンジ2010in高橋コレクション日比谷」という展覧会についての説明。カオスラウンジの始まりや模造紙オフについて。自分なんか、いち観客として痛くない、リスクのない立場からなんだかんだ言ってブログのネタにもしてるけど、この人たちの積極的な行動力ってやっぱすごいです。著名人から注目されているのもこの行動力があるからでこそなわけで。それがあるから、みんなあーだこーだ言うけど否定はしないんですよね。ただ「ポストポッパーズ」っていう固有名詞が一度も出てこないところは気になりましたね。そこに意図はないのかもしれないけれど。
後半はキャラクター論ともいえる話の展開と、今回のカオスラウンジと関連する作家として奈良美智を挙げて、作家論みたいな話。自分はここで「アレ?」って思いました。奈良美智の作家論としては楽しく聞けました。が、これは批評家が話すべきことであって、キュレーター自身が言ってしまったら面白くないのかなと。そして奈良美智(と、その他の作家)を挙げたことで、カオスラウンジは結局アートの世界と接続したかったのか、カオスラウンジが目指すところはそこだったのかって思い、自分の中でとたんにカオスラウンジの「祭り」感が矮小化してしまいました。過去へのディスではなくて、コネクトしたがってる感じに「なあんだ…」と。時間も延長して最後はちょっとグダってた。たぶん「聞きたいのはそこじゃないよ!」って感じてた人も多かったと思う。
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自分は講演が終わったの質問コーナーでふたつ質問をした。自分も緊張してうまく質問が言えなかったところもあるけれど、聞きたかったことは高橋コレクションの作品が会場の中ではっきりと分かれて展示してあったけどあれは不可抗力(作品の扱いなどの条件)でああなったのか、意図的なものか。ということと「カオスラウンジのビジョン、というか将来的な夢はなにか。(たとえばグッゲンハイムで展示することだとか、またはそれぞれの作家が食べていけるようになるだとか)」ということ。
…質問に対して明確な答えは返ってこなかった。
質問の答えに対して「自分は馬鹿なんで理解できませんでした、もっと勉強します」という言葉を、半分は本音として、半分は嫌みとして言おうと思ったけど止めた。まあ、質問に対して意図した答えが返ってくることを期待するわけでもないんだけど、もうちょっと質問と答えが噛み合って、納得して終りたかった。
(余談だが、村上隆に話をふられた椹木野衣が、やんわりとあの場での発言を避けたのは最高に格好良かった。あとぜんぜん関係ないけど多摩美だとあの椹木野衣が「のいのい」って感じで愛されキャラ扱いされててウケる。むしろ椹木野衣って誰?状態だったり。教授に昇格しておめでたいと思う反面、准教授という微妙なポジションのほうがのいのいのキャラに合ってそうな気がした。)
それで最後の締めの言葉で村上隆が「GEISAI大学はこれで終わりにしようかと思ってる、これからはGEISAI放送大学にしようかと思ってる」みたいなこと言い出して「えーっ!?」って。最後の最後がこれでいいの!?納得したの!?って。講演会終了後、関係者でさらにカオスラウンジについてユーストリームをするって言ってたけど、それは正直見る気がしなかった。議論というよりかは打ち上げ会になりそうで、言い方が悪いけれど内輪褒めになることはなんとなく想像がついた。
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そんなわけで自分は消化不良のまま家路についたわけです。展示を見た段階では保留にしておいた判断ですが、さらにモヤモヤとしました。ただこれは彼らの物語であって、自分(たち)の物語ではないという(当然のこと)に気がつきました。カオスラウンジをどこかで「わたしたちの物語」としてみていた部分があったのかなと。とりあえず頭を整理するために、今回のカオスラウンジ及びGEISAI大学での講演についての周りの反応が知りたいと思いました。
帰宅し遅い夕食をとってからTwitterを開くと、「(カオスラウンジのユーストリームが)なんかすごいことになってる」というような書き込み。どれどれ、と思ってustに繋いでみると、あずまんが怒ってた。
続く。