光村図書出版「美術II」

引き続き、光村図書出版の「美術II」の教科書です。
これは平成15年度に検定済みで、発行されたとすれば平成16年度以降になるのだと思います。しかし、サンプルなのか印刷と発行日が記入されていません。


表紙は伊藤若中の『鳥獣花木図屏風』。やっと日本人の作品が表紙!と思いつつもプライスコレクション収蔵なんですよね。





編集者には永原康史さんや深沢直人さんが関わっています。前の2冊よりもデザイン寄りのスタッフ。




絶対深沢直人が監修していると推測される『記憶に繋がるかたち』というページ。深沢直人やジャスパーモリソンの作品などが紹介されています。(光が写り込んでいてすみません…。)





『配置とバランス』のページ。左ページは構成の説明。右ページにはハンスアルプとブロックマンの作品。





その次のページは『色を感じる』というページ。アルバース、大貫卓也、佐藤可士和とデザイン的な視点からの説明。




さらに『ポスターの仕掛け』というページもある。普通、教科書のデザインに関するページって後ろのほうに掲載されてそうだけど、わりと巻頭に掲載されてます。勝井三雄、福田繁雄、原研哉、永原康史の作品が掲載されている。




ここではデザインについてのページばっかり掲載しました。が、やはり全体を通して「II」はじゃっかんデザインについて詳しく説明されている印象でしたね。

他の出版社の教科書はわかりませんが光村図書出版の美術の教科書は、西洋美術や日本美術、または過去や現代といったカテゴリ分けをせずに並列的に作品を扱う傾向にあるのが面白いと思いましたね。前にも書いたように、美術手帖やBRUTUSのように興味とそれなりの知識があれば楽しく読めるでしょう。逆にいえばビジュアル重視で歴史性はあまり感じ取れない。作家の名前や時代がバラバラなので、高校生にはよく理解できない気もします。(むしろ美大生には良い教科書でしょう。)

高校の美術の授業自体がない学校も多いと思うので、この教科書をもっている時点で多少なりとも美術に興味があるだとか、美術コースを専攻しているだとか、美術好きであることが前提の教科書なのかもしれません。美大受験をする高校生が、ふとページをめくるとなにか発見できるとは思います。

また、たとえば画材の扱いなど、テクニック的なこともほとんど触れられてないですね。最低限油彩、粘土、ポスターカラーくらいの使い方は掲載されていてもいい気がしますが。まあいろいろ事情があるんでしょう。結局美術の教科書はカタログというか、副読本というか……美術の授業で教科書なんてまず使いませんよね。新学期に買わされて、そのまま開かずに1年が終る、みたいな。

有名な人たちが著作者として名前を並べているこの教科書が、実際どの程度美術教育の現場で使用され、役に立っているのでしょうか。気になります。

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