進学相談会 雑感

というわけでもう1週間以上経ちますが、多摩美術大学・武蔵野美術大学の進学相談会に行ってきました。

近年は毎年足を運んでいますが、どちらの大学も年々力が入ってきていますね。作品集を無料で配布したり、オリジナルグッズをプレゼントしたりと、まるで住宅展示場みたいなサービスをしています。スタッフの皆さんも職員や学生問わずみんな親切で、やる気を感じます。ホスピタリティってやつでしょうか。

それはやはり少子化と不況の影響で受験者が少なくなっており、美大同士で受験者の奪い合いが激化していることが関係あるのでしょう。各大学の相談会への力の入れように必死さが垣間みれますし、必死でなければ生き残れないということでもあります。

10年後、美術大学も美術予備校もいまのままではないと思っています。
定員割れをする美大は増えるでしょう。それは美大進学が容易になるということで、その結果として美術予備校は淘汰が進むでしょう。

美術大学を巡る状況は、業界再編中というような印象です。
いまは推薦制度や専攻学科の数などがあまりに多様化し複雑になっています。この流れはあと数年続くでしょうが、その後は美大受験がもっとシンプルになっていくような気がします。たとえば多摩美術大学・武蔵野美術大学も東京造形大学のように共通実技になっていくとか…。

多摩美大のデザイン科でいえば、情報デザイン学科の両コースとプロダクトデザイン学科は、あえてグラフィックデザイン学科の入試問題に合わせているようです。それは、一番人気のグラフィックデザイン学科に入試問題を近くすることによって、受験生は対策がしやすくなり、併願受験をする受験者(=つまり志願者数)が多くなるからです。受験者が減少する現在、これは当然の流れかもしれません。

ただし、大学も受験者にもメリットがあるようですが、それには問題もあるようです。
昨年度から入試問題をグラフィックデザイン学科のように変更したプロダクトデザイン学科は、昨年の説明会では「プロダクトデザイン学科はなんでもできるから誰でもどんどん受験してください」というスタンスだったのが、今年の説明会では「何をやりたいか、どんなデザインをしたいのかハッキリさせてから来てください」というように変わっていました。

目的意識がぼやけたまま入学してしまう学生が多かったのでしょう。いままでは少なからずプロダクトデザインに興味を持った学生が入学していたのが、「併願受験をしたらなんとなく受かってしまった」学生が少なからずいたことを想像させます。



それと、会場を歩いていて思ったのは親子連れの多さです。親子で説明会・進学相談会にくる時代なんですね。親子で受験参考作品の感想を言い合ったり、教授に質問している。いまは保護者の方も非常に受験について詳しくなっているし、子供の受験を自分のことのように捉えている。

大学も予備校も、保護者の信頼を得るところから始めなければならない。設備の環境、教員の資質、入学者や就職の実績…適当にやっていたら未来がありません。学校・受験生・家庭、その連携を大切にした大学や予備校こそが生き残っていく時代になるのではないでしょうか。