パリ5

マイペースでパリ記を更新しております。
やっと第5弾なんですが、まだ2日目という….。

さて、2日目は今回の旅行の目的だった、北野武の個展「BEAT TAKESHI KITANO GOSSE DE PEINTRE」(GOSSEは”小僧”とか”ガキ”とか”じゃり”とか、そういう意味らしいです)をみるためにカルティエ財団現代美術館にやってきました。

建物を囲むようにガラス張りされている建築は、アラブ世界研究所と同じくジャン・ヌーベルの設計。


あ〜、この個展をみるためにパリに本当に来たんだなあ」と、感慨深くなりました。


ガラス壁と建物とのあいだにもたけしの作品が展示されていた。


中庭には屋台みたいなのがあって、コーヒーや日本のお菓子が売ってる。


日本で60円くらいで売ってるカバヤのジューCが、€3.5(400円弱くらい)で売っていて思わず写真に撮らずにはいられない。日本で100円くらいの果樹グミは€3(330円くらい)だから、まあ妥当といえば妥当。

って、館内の写真撮影が不可なため、作品の写真はないですね。1階はおもに大きい立体作品やインスタレーション、地下は絵画作品と映像展示がメインといったところでしょうか。

1階で印象的だったのは、扇風機の作品。
同じ扇風機が5台並んでいて、その中央にはそれぞれの扇風機に対応したボタンが並んでる。で、鑑賞者がそのボタンを押すと、扇風機の羽が回るんじゃなくて、「扇風機自体」が回転したり、「扇風機の後ろの壁」が回転したりする。日本のお笑い番組みたいなオチ。すごく日本的な感じがした。

地下の作品は、たけし軍団による「人間書道」(空中に吊った人を筆にして、墨汁に頭を突っ込んで書道する)の映像や、ビートたけしの出演する「お笑いウルトラクイズ」や「世界まる見え」の編集映像もさることながら、個人的にはたけしの絵画作品に感動しました。

「HANA-BI」で使われた顔が植物の動物のシリーズは、繊細さと不安定さが合わさって異様です。
背景のフラットな塗り、決して洗練されてるとは言いがたい小学生のような色彩、おのずと視線は動物たちの顔に向けられるもそこにはシンメトリックな花が咲いているだけ…… なんかヤバいなって思いました。

近年のピカソ風の絵は「下手っぽいけど、下手じゃない。でも下手かもしれない。そもそも絵は下手とか上手いじゃないよな。これは下手だけど、良い絵だ。わかったうえで描いてるんだ。いや、本当か…?本当は本当にただ適当に描いてるんじゃ….?」などと考えずにはいられません。

たけしの絵の特徴は、ピカソともヘタウマともとれるような人物の描写……ではなく、チューブからだしたまんまのようなあの色彩だと個人的には思います。あまりに単調すぎて不快でさえあるんだけど、あの原色のような色彩が、絵の深読みを拒否するんですよね。いわゆる「絵画」として絵をみさせてくれないというか….。

まあ、でも難しいこと抜きに面白い絵でありことは確か。他に類をみない絵です。
どっかのオッサンが純粋な趣味で描いていたとしても決して人目に触れることはない絵だけど、そのオッサンが北野武だったからパリで展示された。そしてその絵は実はスゴいものだった、という…。北野武じゃない人がこの作風で作家活動をするならば、相当目利きでかつ懐の深いギャラリストでなければ売れる売れない以前に展示させてもらえないんじゃないでしょうか。作家じゃなくて日曜画家が描いていたならば、死後即効で家族に捨てられると思います。


何度か書いたけど、今回パリに行くことにしたきっかけはこの個展を観るため。
でも、とくに北野武の熱烈なファンという訳ではない。映画もHANA-BIくらいまでしか見てない。まあ、日曜夜8時は「ごっつええ感じ」より「たけしの元気がでるテレビ」を見てたけど。

自分はあんまりしょっちゅう海外に行く訳ではないし、ひとりで海外旅行するのもはじめて。なんでたけしの個展を見たかったのか理由はよくわからない。でも、カルティエ現代美術館で作品を鑑賞しながら、「本当来て良かったな」って思った。

あとカルティエ現代美術館で印象的だったのは、子供連れの母親(または家族)の多さでしょうか。お母さんたちがだいたい2人とか3人とか4人とか子供を連れてきてる。日本じゃ子供連れの家族をみても、だいたい子供はひとりとか、せいぜいふたり。しかもこんな現代美術(?)の展示に子供をつれてくるなんて素敵ですよね。日本だったらデヴィットリンチの個展に子供を連れてきてるようなものじゃないですか?!(違うか)
そんな光景をみて、「いいな」って思いました。やっぱ、国が総力をあげて子育てをサポートしないといけないよなって。


この記事を書くためにアクセスしたカルティエ現代美術館のサイト、重過ぎ。クリックした途端画面に大きく広がるウィンドウ、有無をいわさず鳴り始めるBGM、典型的なダメ系ファッションサイトなのが残念。(まあ、この崩れまくりのこのブログを作っておいて人のことは言えないんですが!)

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