2010 年 11 月

神奈川県民ホールギャラリー「泉太郎 こねる」



神奈川県民ホールギャラリーで「泉太郎 こねる」を見た。
(11/27で会期終了。さいきん会期終了ばっかり紹介していてごめんなさい。)

泉太郎の作品、大学の授業でみたな。油画科の教授の堀浩哉が紹介してた。
ケンタッキーとマクドナルドの作品(この作品は今回展示されていません)。

カーネルサンダースとドナルドがお互いの口にハンバーガーとチキンを突っ込もうとする作品。
これ最初はとても面白いんだけど、けっこう時間が長い。
デザイン的思考だったら数秒でオチつけて切り上げるほうがカッコいいっぽいんだけど、この作品のスゴいところはみんなが飽きてほとんど何も反応しなくなるところまでずーっと繰り返されること。授業ではかなり大人数の前で上映されてたんだけど、だんだんみんなの笑い声が乾いてきて、最後の方は飽きてシーンとなっていたのが印象的だった。


で、今回の展示の様子。youtubeから拾いました。なんとなく今回の展示の内容がわかります。なんとなくね…。この映像、キャプションついてるし三脚使ってるしオフィシャルなのかな?





会場内の作品をひととおり見終わったころ、ちょうどアーティスト・トークが始まったので作家本人の口から解説を聞きながら会場をもう一周しました。やっぱ本人の口から作品の解説を聞くと作品への理解度がぜんぜん違ってきますね。最初に見たときはよくわからなかった作品が、説明を聞くことによって「あ、そうか。そういうことか。」って理解できた。ふだんどんだけ理解せずに流してるんだっていう。きっとアーティストトーク聞かなかったら「面白かったよー」で終わってた気がする。勢いで作っているように見えて、すごく考えて作っているな、と。



「こねる」、けっこう自分の気持ちが落ちてたってこともあるんだけど、さいしょ会場に入ったとき少し泣きそうになった。プロジェクターを17台使って床に投影された作品のスケール感に驚いたし、それを眺めてたらなんか悲しくなっちゃって。泉太郎の作品は90%くらいバカバカしさで出来てるんだけど、3%くらい悲しい成分が入ってる。

アーティストトークを聞いて自分なりに理解したんだけど、きっと偶然性に左右されて永遠と繰り返される様子に悲しくなったんだと思う。
「偶然」や「規則」に支配される「身体」……っていうとカッコつけたような言い方だけど、でも自分の身体って自由に思えるけど、じつは偶然と規則に支配されているんじゃないかって。

偶然性と規則に翻弄される着ぐるみの熊は、バカバカしくもだんだんとグロテスクな悲哀を帯びてゆき、なんだか人生と重ねてしまうのかもしれません。



ふむ。

Kaikai Kiki Gallery「Mark Grotjahn」



そういえば先週はカイカイキキギャラリーに「マーク・グロッチャン」展も観に行ってたんだった。
Twitterで村上隆がやたら煽っていたので流された次第であります。
最終日(11月21日)に慌てて行ってきました。

マークグロッチャン、印刷やモニタでみてもどういう作品かよくわからなかったけど、実物に圧倒されました。とりあえず滅茶苦茶上手いです。
たとえば集中線の神経の行き届いたキチッとした作業に対して、フリーハンドで書き加えられた線のバランスに「なんでこんなことできるの?!」って思わざるを得ない。マークグロッチャンの絵は幾何的でありながらペインティングとしてのマチエールも合わせ持っていて簡単に見終え得ることがない。


まあそれは絵の表面的な話で、やっぱり絵の背景を読み解いていかなきゃいけないわけだけど、それはこの展示のフライヤーの裏面の説明を読むと見えてくるかもしれません。以下引用。

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1968年生まれ。カリフォルニア州北部にて育つ。
抽象芸術、そして大胆な幾何学的なペインティングで広く知られるマーク・グロッチャンの作品は、コンセプトに基づいた活動と、ペインター・スタジオから生みだされてきた。グロッチャンの作品はこれまでロサンゼルス・ハマー美術館、そしてホイットニー美術館などの美術館で個展が開かれ、展示されている。

マーク・グロッチャンは、モダニスト抽象表現主義の技術とポップカルチャーの独自の解釈を組み合わせたアーティストと言って良い。平面構造を使用する現代アーティストの代表的存在として、彼は作品に消滅点。放射線状に閃光する色の帯、そして深さを取り組んでいる。

常に存在する表面に強い意識を抱く一方、作品は同時に親密、そして時には、暴力的な面を合わせ持つ。まるでBoccioni の「Unique Forms of Continuity in Space」が表現したスピードの描写が、二次元の空間に押し込められたようである。作品群を振り返ると、グロッチャンは「蝶」の構図を自分の物とし、一見で「グロッチャン作品」だと分かるようなモチーフにしている。

しかし、グロッチャンの蝶に見られる幾何学的構成の占有は、逆にアーティストの「象徴」がどれくらい不定な物なのかをも示しているやもしれない。カイカイキキギャラリーのデビューでは、グロッチャンの代表作である「蝶」の作品の様々な色合いが展示される。新作ドローイングシリーズに加えて、「Captain America」というドローイング作品群も出展。

そこには、強い愛国心を持つ第二次世界大戦の軍人が特別な血清をもらい、生きる自由の象徴になる、というマーベル・コミックス
の「キャプテン・アメリカ」に直接、影響を受けたと思われる画も見受けられる。日本のアート界での複雑な介入のための、議論の切り口には、こうした強烈なポップカルチャーからの影響が相応しいと言えるであろう。

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抽象表現主義にポップ的解釈を加えた表現、アイコン的特徴をもった放射線状のモチーフ、平面上に表現される奥行き….いろいろ切り口はありそうですが、とりあえず絵を「読む」ことでより面白くなる作品です。

ちょうど村上隆が奥から出てきて、会場にいた女子学生3人グループに「どうも!学生?どうですか、全然わからないでしょう!わからないんです、これは。」みたいな挨拶してて、面白かった。ぼくにも「どうも!」って挨拶してくれました。




Ustに解説があったけど、音量小さいし結構グダグダな進行。
行けなかった人には会場の雰囲気がわかっていいかも。

そしてKaikai Kiki Galleryのこのページで展示作品がみれる。

あとは Mark Grotjahnでイメージ検索すると今回の展示されている作品以外のものをみると、また印象が変わるかも。

Every Anime Opening Ever Made




すでにランキング1位なので見た方も多いかと思いますが…。

この動画すごいですね。
日本のアニメのオープニングから類似した表現を集めたMAD。
一説によれば使われているアニメの数は93作品だとか…。

どうやらyoutubeに外国人が投稿したのがオリジナルみたい。
ニコニコ動画のほうが解説があって詳しいからそっちを貼らせていただきました。


だれもが知っているけど、だれにも知られてないこと。
それを発見するっていうのもスゴいし、この動画はそれを「作品」として提示しているところが驚異的。
MADとしてみても、思わず見入ってしまうほどとても良くできている。
NY在住のビデオエディター?どうりで…)


浜崎あゆみの曲を使っているところなんかマジでヤバい。
ニコニコ動画に投稿する日本人MAD制作者だったら浜崎あゆみを使わないと思うんですよね。
外国人の視点から見た日本のアニメ・ポップの再編集とも受け取れる。
クリティカルかつ作品としてのクオリティも高く、感動しました。

オペラシティギャラリー「ドミニクペロー」、spiral「スイスデザイン賞展」

あとは最近オペラシティギャラリーで「ドミニクペロー 都市というランドスケープ」(12月26日まで)、スパイラルで「スイスデザイン賞展」(11月28日まで)をみた。
ドミニクペローは建築・環境系、スイスデザインはプロダクト・繊維系の人向け?
その分野で仕事をしている、または学校で学んでいる人には興味深い展示だと思います。
ちょっと自分は勉強不足で、どちらの展示もココに書けるほどの知識はありません。
(最初から流し気味で見てしまった部分もありますが…)




スイスデザイン賞展は原研哉(敬称略)のツイートで知りました。
氏曰く
「コミュニケーションから、プロダクト、家具、インテリアまで。モダニズムの中でもひときわ澄み渡った中庸と純粋、そしてスイスタイポグラフィを生み出した合理性を突き詰めた美意識の現在を見る」
とのことです。

イェルクボナーのポットが会場で売っていて格好良かった。
でも値段のわりにちゃちい作りだったから買いませんでした。




「ドミニクペロー 都市というランドスケープ」は自分の理解が追いついていないというだけで、たとえば金属のカーテンとか、革張りのソファ、ドローイング、そして建築模型などは見る価値ありです。



…いまこうやって感想ブログを更新していて、どちらの展示もさすがにもう少しちゃんと見るべきだったと後悔しております。

ICC「みえないちから」



初台のICC「みえないちから」をみにいった。

先日3331で観た「オカルトテクニクス」以上にオカルトテクニクスを感じさせる展示だった。
というか、まあ「オカルトテクニクス」をかなり意訳すれば「みえないちから」とも言えるかもしれないわけで、メディアアート界隈では霊ブームが起きているのでしょうか。

エキソニモの作品とか、ちょっとよくわからないところがむしろ怖くなってくる。
っていうかエキソニモの作品、そんなに作品数を知ってるわけではないけど、毎回怖い。
ホームページからして怖い。


あとはやっぱり「フォルマント兄弟の“お化け屋敷”」ね。
すごく印象的だった。
整理券制で作品の体験時間20分とちょい時間かかるけど、こう…….
まあ行ったら面倒と思わずに整理券もらって体験してみてください。