森美術館「小谷元彦展:幽体の知覚」

森美術館「小谷元彦展:幽体の知覚」を観た。
とても気合いの入った展示で、圧倒されました。
小谷元彦の名前は有名だし、ギャラリーや印刷物でちょこちょこ作品を見ていたからなんとなく知ったような気になってたけど、今回の展示を見て「全然知らなかったんだなー」って反省した。
ちょっと知っていたようになっていたのは、以前メゾンエルメスでみた展示にそこまでピンとくるものがなかったから。むしろ、ちょっと安っぽいなって思ってドヤ顔していた自分がいまとなっては恥ずかしい。今回の展示では同じ作品が展示されていましたが、ぜんぜん見え方が違いました。
初期の作品「ファントム・リム」はちょっと前に金沢21世紀美術館で見た記憶があるけれど、作品解釈の幅の広さと、作品としての美しさから本当に素晴らしい作品だと思う。オオカミの双頭ドレス「ヒューマンレッスン」は写真でみて想像していたよりもはるかに存在感があった。過去の作品のカッコつけ感は、海外の作家ぽい(良い意味です)。死を連想させるグロ美しい世界観。
新作の髑髏がグルグル回転する「ダイイング・スレイブ:ステラ」(?←タイトル曖昧です)っていう作品は、最初「なんだろう?」って思うけど、髑髏の顔が正面に回ってくる時のあの感じは….まあ、会期は長いので是非観に行くといいと思います。ほかに「ラッフル」っていう作品は彫刻だなあと再認識させられるし、「 レザーフェイス・イズ・スカルプター “ワールド・イズ・ビューティフル」(?)っていう映像作品は会場の作品なかではちょっと異質な気がして気になりました。(なんでタイトルがどれも必殺技みたいなの…。)
個人的な趣味で言うと「New Born」ってシリーズはあんまピンとこないけど、それでもここまで展示全体でやりきっていたら、もう好き嫌いで否定できないですよ。よほど覚悟がないと。しかも30代という若さであの森美術館の空間を個展として持たせることができるのが信じられないし。東京では2011年2月27日までらしいので、クリスマスや正月やバレンタインのデートに是非…。
ところで小谷元彦といえば、「アートの仕事」という本のインタビュー記事がやたら記憶に残ってる。いま読み返してみると、大学を出たあと映像の専門学校に行っていたとか(どうりで!)、初個展で初めて売れたのが「ファントムリム」でそれを買ったのが飴屋法水だったとか、家が洋裁店でヴィヴィアンウエストウッドが好きだったとか、いっけんあまり作品に関連性のなさそうな八谷和彦さんの作品についての言及とか、ものすごい興味深いことばかりでした。この本に載ってる、八谷さんと小谷元彦の対談が、すごくよいんです。あわせて是非。