IZU PHOTO MUSEUM  木村友紀「無題」


あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。
当ブログの今年の目標はステッカーを作ることです。
その気になれば1週間で達成できますね。



さて2011年一発目の美術館はIZU PHOTO MUSEUMで木村友紀の「無題」を見てきました。
(ちなみに昨年は横浜美術館で束芋「断面の世代」だった。)

3連休のうち2日間をなにもせずに過ごしてしまったので、1日くらいは…と思ってIZU PHOTO MUSEUMへ。
熱海のもうちょっと先、三島という駅から無料送迎バスで20分くらいです。
都内からだと鈍行で2時間半くらいって感じですかね。
新幹線使えばさらに1時間くらいは早いです。


IZU PHOTO MUSEUMがあるクレマチスの丘という場所は、ほかに「ヴァンジ彫刻庭園美術館」「ベルナール・ビュフェ美術館」「井上靖文学館」などの文化施設があります。
あとはレストランも4つくらいあって、自然と芸術と食事でゆったり休日を過ごすっていう、小金持ちのインテリが好みそうなアートリゾートです。
と皮肉っぽい言い方ですが、空気が澄んでいるし、レストランは美味しいし、いい場所ですよ。

1年半〜2年くらいまえかな?
以前来たときはまだIZU PHOTO MUSEUMはできてなかった。
なのでクレマチスの丘は2度目だけど、IZU PHOTO MUSEUMは初めて。

IZU PHOTO MUSEUMの建物は杉本博司の設計っていうから楽しみにしてたんだけど、これがまた凛とした建物ですごく良かった。外から自動ドアを挟んで内部まで途切れなく続く石畳、直島の護王神社で使われている純度の高いガラス(たぶんカメラのレンズで使われる光学ガラス)を使ったベンチ、石を積み上げて作った坪庭など、杉本博司イズム溢れる建築です。



前置きが長くなりましたが、木村友紀の「無題」(←これが展示タイトル)も、とても良い展示でした。今回はおもに写真の展示だったんだけど、その写真の扱い方が不思議。

普通、美術館で写真の作品って壁に飾られているじゃないですか。
まあ、額に入れられてピシッと掛けられていたり、ティルマンスだったらテープやピンでペタペタ貼るにしても、それでも写真はだいたい壁に飾られてる。

それがこの展示では、写真が、写真と同じ大きさの台上に飾られていて(テーブルの天板がぜんぶ写真みたいな感じ)、しかも写真の上に石が置いてあったりする。
その写真には複数の動物小屋らしきものが点々と写っているんだけど、その写真に写った動物小屋と、上に置かれている石がシンクロしてくる。

あるいは写真の一部を隠すように、植木が置かれていたりだとか。

どこからが写真なのか…?いま自分がみているものは写真なのか…?って不思議な気持ちになる。平面と立体という次元の差異、または過去と現在の時間性など、とにかく色々と考えさせられてしまう。

でも、自分はその重力性…..重力を受け止めるように写真が存在してるのは初めて見た感覚だったから、それに一番驚いた。イメージではなく物質としての写真、というか。

あと印象的なのは、感光ミスをした2枚の写真をくっつけてスキャンで1枚にした作品。
写真だけみてもよくわからないんだけど、この作品の美しいところは、写真に反射した照明によって、美術館の白い壁が赤く染まるところ。よく見ると、水平に置かれた写真の上には変形したキャンドルが置いてある。
なるほど、ほんのりと赤く染まる壁はキャンドルの灯とイメージ的に重なるものがあるな…。と。


そして展示会場を出ようとすると、出口(入り口と同じ場所)の近くにガーゼのような白い布を被った台があることに気がつく。これは会場に入ったときにも気がついたけど、キャプションもないし、ただの白い台だったから、だいたいの人は無意識でスルーする。

でも、一通り作品を見て、もしやと思って目を凝らすと、ガーゼの下になにかがうっすらと見える。なにかはわからないくらい、本当に微かな輪郭線が…。
(ギャラリートークによると、ガーゼの下には天気の悪い雪山の写真があるそうです。)
つい数分前まではたんなる白い台だったものが、会場を出るときには違ったものに見える。当然白い台は数分前と変わらないままだから、見え方が変わったとしたら自分が変わったってことですよね。ヤラレタって気持ち。


ちなみに展示されている写真は作家が撮影したものではなく、どこかで誰かから偶然手に入れたり、海外で買ったりしたもの(ファウンドフォト=found photoって呼ばれてる)らしいです。


そんなわけで新年早々とても良い展示。
1月11日(この記事を書いてる翌日)に終わっちゃうけど、時間があれば行くといいよ、マジで。

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