メゾンエルメス 曽根裕「雪」

仕事前、メゾンエルメスで曽根裕の「雪」を見てきた。
メゾンエルメスの正面突破はいつも緊張する。
広い方の展示スペースにあった水晶の雪の彫刻にはあまりピンとこなかった。
先日IZU PHOTO MUSEUMでみた杉本博司のガラスのほうが透明度が高くて美しかったから。
それに比べれば、この雪の彫刻は継ぎ目も見えるし、色も濁っている…そんな風に思った。
自分はこの雪の結晶の彫刻、てっきりガラスで出来ているのかと思ってた。
あとから資料をみれば、天然の水晶を彫刻しているらしい。
入り口で配布されるブックレットに雪の結晶のことや水晶を削るときのことが書いてある。
それを読んだら、この作品も良いものかもしれない、と思い始めた。
で、いまこの記事を書きながらオンラインの読売新聞のインタビュー映像を見てる。雪の彫刻のなかでも制作時期によってクオリティが違うらしい。このインタビュー見てから作品をみたほうが、よりじっくりと作品を見ることができたかもしれない。(ちなみに海外暮らしのせいか本人の喋りがかなり危うくて面白いので、是非インタビューを見ることをおススメします!)
自分は水晶でできた雪の彫刻よりも、奥の展示スペースにあるふたつの作品にハッとした。
ひとつは雪山の彫刻で、スキー場のリフトが掛かってる(人も乗ってる)。もうひとつは雪の積もっていない、春か夏を想起させる緑の山の絵画。
雪山の彫刻はリフトに乗ってる小さい人の顔に微妙に起伏がつけられていて、どんな人が乗ってるのかと想像してしまった。あとはリフトのリフト性について考えてしまった。行きはあるけど帰りはない、片道しかない乗り物としてのリフト…。彼岸にいってしまうような恐ろしさを感じた。(インタビューだと作家本人が「愉快な瞬間をソリッドな…」って言ってるから深読みしすぎなんスけど。)
絵画のほうは透明だったり白かったりする今回の作品群のなかで、唯一色のある作品。
色とか別に普通だし、ちょっと上手な中学生や高校生っていう感じの絵なんだけど、この作品が最後に飾ってあることに感動した。ほぼ一点透視で描かれていて、スーッと絵に吸い込まれるような感覚。「なんでこの作品だけ雪がないんだろ?」とか「なんでこの作品を最後にしたんだろ?」とかいろいろ考えさせられる。まあ、僕はこの作品にも「あの世」的なものを感じてしまったんスけどね…。
2月28日まで。