2015 年 10 月

岐阜/イオ・ミン・ペイ

春ごろに滋賀のMIHOミュージアムに「バーネット・ニューマン 十字架の道行き」を観に行った。美術館へのアクセスのし辛さに比べて作品自体は「えっマジで」って思うくらいシンプルでこじんまりとしてたんだけど、とにかく美術館がすごかった。ここ日本かよって思うくらいのお金の使い方と完成度。


まだ行ったことなければグーグルで写真を観て、興味があれば行ってみるといいと思います。
んで、この美術館を設計したのはルーブル美術館のガラスのピラミッドを設計したイオミンペイっていう有名な人なんだけど、自分はこの3年間でペイの建築を割と目にしていたことに最近気がつきました。



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MIHOミュージアムの本館はちょっとまんが日本昔話かよ!っていうギャグみたいな見た目で、格好良く撮影するのはなかなか難しい。どんか感じかは上記リンクで確認してください。ここはちょっと変わっていて、美術館の敷地に着いてからさらに電気自動車または徒歩で美術館のある場所まで移動する。そのとき長いトンネルを通るんだけど、それがまたなんというか神秘的な体験というか、さすが母体が宗教団体というだけあるな、と。



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2012年、村上隆の展示を観にドーハ行ったとき、その会場のすぐ隣にあったイスラム芸術美術館も彼の建築でした。内部はすげー暗かったような記憶がある。でもイスラム芸術美術館、確実に訪れたはずなんだけど、内部がどんな感じだったかまったく記憶に残ってない。



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で、ルクセンブルク・ジャン大公現代美術館、MUDAM。今思い返してもやっぱこの美術館最高だったと思う。美術館が好きなら絶対行くべき。作りはちょっとMIHOに似てる。でも、美術館自体のスケールはこちらのほうが上。特にこの古い城壁とガラスの建築の絡み合いが最高。



すでに何度もしている話なんだけど、学生時代は建築の面白さってまったく理解できなかった。でも何度か旅行しているうち、最近はむしろ建築が楽しみで旅行してる。美術作品と建築空間って絶対に切り離せない。どんないい作品でも建築空間が良くなかったら良く見えないし、逆に建築空間がよければ丸めた紙くずだって作品に見えてしまう、みたいな。


旅行していると、こういう共通項がいろいろ出てきて面白い。スイスで観た作家の個展をニューヨークで観た、とか。パリやドーハで観た展示を東京で観たらこうだった、とか。そういう感動って人に説明してもなかなか伝わらないし、説明する必要もないかもしれないし、本当に個人の知識欲を満たすだけのもの。いわゆる趣味ってやつです。そう、自分にとって美術は仕事ではなく趣味だったのかもしれないな、とか。まあその話は置いておくか。







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MIHOミュージアムの最寄駅に近江牛を食べさせてくれる肉屋があったから行ってみた。金箔で近江牛って書いてあった。12000円くらいする鉄板焼きのコースを頼んだものの、個人的には油っぽくてダメだった。牛肉もマグロも赤身が好き。


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んでその肉屋の近くの旅館にその日は宿泊。旅館に入るとおばちゃんがヌッと現れるような古い旅館。黒電話に共同の風呂トイレだったけど、リバーフロント(笑)で純和風の朝食つきで5000円くらいだった。牛肉よりたらこと漬物。京都にも電車ですぐ出れたし、お得感あったなー。



閑話休題でした。




NYその他

NYは5日間くらい居たんだっけな。ディアビーコンやイサムノグチやホイットニー、梅ラボの個展の他にいくつか美術館に行きました。わかってると思うけど1年前ね、1年前。


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MOMA。
バーゼルのシャウラガーの記事でも書いたんだけど、シャウラガーで見た作家の個展がちょうど開催されていました。あとはマティス関連の展示。ロンドンでもフランスでもニューヨークでも、海外にはマティスの作品が大量にある。好きだけどちょっと飽きる。


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MOMA PS1。
MOMAの別館。若手アーティスト中心の実験的な場所。無駄に広くて、あんまり気合入れた展示もやってなくて、ただただ疲れた記憶。


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グッゲンハイム。
1900年代初頭の、いわゆる現代美術の創世記をテーマとしたような展示。だった気がする。イヴ・クラインとか。観光スポットらしからぬ渋いテーマの展示だったと思う。


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ニューミュージアム。
入場料が無料だか安くなる時間に合わせて行った。たしか1ドルか2ドル払った気がする。安くて良かったけど、展示替え中?工事中?みたいので色々しょぼかった。夜だからSANAAの建築をあんまはっきり見ることができなかった。


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飛び込みでピータールーガー。ほんと、ニューヨーク行った日本人はみんな食べてるよね。日本人ばっかでなんかちょっと気恥ずかしかった。いかつい店のスタッフが「いい腕時計してんな!」って絡んできた。いいおっさん達だった。美味しいは美味しいけど、こういうステーキはひとりで食うもんじゃない。帰り際にもらったコインチョコを洗ったばかりのジーンズのポケットのなかに入れておいたらドロドロに溶けていて、ホステルで泣く泣く洗い直したのはいい思い出。



あとSleep No More。これもNY行った人はみんな観てるよね。鑑賞者参加型の演劇。面白いけど体力の消耗の仕方が半端なかった。興味あったら各自でググってください。僕は途中からメインキャストではない、ふたりのお手伝いさん?看護婦?(なんだっけ?)をひたすらストーキングしてたら、最終的にスタッフに「あっちに行ってくれ」的なジェスチャーをされました。


いろいろ回れて良かった。
でもまだいまいちニューヨークの楽しみかたを理解できてない感じは残ってる。

NYイサムノグチ美術館

ニューヨークではイサムノグチ美術館も行きました。もう1年前です。

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個人的には香川のイサムノグチ庭園美術館のほうが好きかなー。真夏の太陽に照りつけられながら観に行ったな。あそこわざわざ予約しなきゃいけないし、行くの面倒なんだけど、かえってそれが儀式めいてて良い。

この美術館の最寄駅の近くに日本人経営の小さい商店があったんだけど、その店の奥で最新のドラマDVDのレンタルをしていた。当時でもう半沢直樹が揃ってたし。とうぜん非合法。それが印象深い。



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これはイサムノグチとはまったく関係ない、宿泊したホステルに併設されていたカフェの様子です。いかにもニューヨークっぽい雰囲気。しばらくアメリカはいいかなって思ってたけど、写真見返してたらまた行きたくなってきた。

NY梅ラボ個展

1年以上前ですが、ニューヨークで梅ラボの個展を観ました。今回の旅行のモチベーションのひとつでした。梅ラボの絵、海外だとどう見えるのかなーって。

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感想はまたの機会に。



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ハイライン心地よかった。

あなたの人生はあなたのもの

あなたの人生はあなたのもの、そういう当たり前の言葉さえ人生の中では理解するのに時間がかかる。人生のなかで何か大切なものを掴みかけたと思ったら、すぐにまたどこかに消えてしまう。これまでに何度そんなことを繰り返してきたか。

留学から帰ってきて早くも10日が過ぎた。
ずっと生まれ育ってきた環境がつくりだす磁場というのは、強い。向こうの暮らしですっかり入れ替わったと思った心の空気も、日本に帰ってきたとたん、家族や知り合いや言葉…が以前の私に戻そうと働きかけてくる。いちにちごとにわたしの身体がどろどろと溶けていき、日本の社会にべったりと張り付いていく感覚。

とはいえ、留学先は年齢や仕事やお金を忘れて過ごせたまるで儚い夢のような場所だったので、むしろいつまでも留学気分でいたらマズイのも事実。そういう意味ではやく日本の社会=現実に戻らなければいけないのだが、もう少し時間がかかりそう。





前回の記事がほぼ留学前に書いたものだから、今回の記事が留学後はじめて書く文章になる。

留学前は「お金と時間を使って意味あんの?」的なことを書いていたけれど、結果から言えば仕事を辞めて後悔はしていない。良かったと思う。けっきょく、もしあそこで仕事を続けていたとしても、これまでと同じ時間がただ過ぎて行くだけだった。仕事を辞めなかった世界のわたし、あのまま仕事を続けている世界のわたしは、なにも吹っ切れることなくやはり悶々と考えて続けているだろうから。

英語はどうかと言われると、とりあえず旅行程度だったら困らないかな…くらい。オンライン英会話と自習続けないときっとすぐに忘れちゃいそう。4ヶ月マンツーマンでやればそこそこ喋れるようにはなるだろうと思ったけれど、ぜんぜん甘かったですね。かなり本気で勉強しないとほんのちょっとも喋れるようにはならない。それが分かった。

なにより自分にとっては英語を勉強したのと同じくらい、留学先で同年代の人や自分より年配の人と話せたことが大きい。
自分が行っていた学校は比較的値段が高いこともあって、大学生はあんまりいなかった。留学先で出会った同世代は30代で何週間も何ヶ月も留学しにくるような人達だから面白い人が多くて、けっこうみんなきちんとした仕事…お金に余裕がある人が多かった。大企業に勤めていたり、経営者だったり、あとはリモートワークつうのかな、IT関係で世界のどこにいても仕事できる人。そこには無数の働きかたと人生があった。普段は一生懸命働きながら、長期休みをとって自分のために留学したい、なんていう人はみんな向上心があってパワフル(ワガママ)で、そうやって生きてもいいんだなーと思った。

彼らに美術や芸術の世界とは無縁で美大出身であることを告げると「美大って面白い人たくさんいるんでしょ?」というお約束の質問を投げかけてきたものだけど、わたしからみれば彼らもじゅうぶんに面白い人だった。むしろ自分のほうこそ美術や芸術という枠にとらわれ、ずいぶん近視眼的な生き方をしてきたものだと感じた。自由を求めて芸術の道を歩んできたはずが、美術の大学や予備校といった狭い世界にいつのまにか縛られていた、そんなことを思った。





わたしの人生はわたしのものだからやりたいことをやる。そういう生き方はときに後ろ指を指されるかもしれないが、幸せになろうとしたらそれをやりきるしかないんじゃないだろうか。



なんか嫌な文章書いちゃったな。
ポエム書くの飽きたら1年くらいまえの展示の話でも書きます。