2015 年 11 月

森美術館「村上隆の五百羅漢図展」

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森美術館で村上隆の五百羅漢図展をみてきました。
このブログを読んでる人なら既に知っての通り、私は村上隆の展示は過去に海外で2回ほど見ています。フランスのベルサイユ宮殿の展示(これは正式に展示が始まる数日前)とカタールのドーハで行われた展示です。

1度目はベルサイユ宮殿という美術館ではない特殊な場所で偶然目にすることができました。2度目はカタールという、あまり馴染みのない中東の国に村上隆の展示を観るためだけに1泊のみの弾丸ツアーで臨みました。どちらもその場所の特殊性も関係したのか、作品性とはまた別のところで、しっかりと私の記憶に刻まれています。





当時のブログを見返すと、私自身はすっかり忘れていましたが、どちらの展示についても「実物にそこまで感動はしなかった」というような、ややネガティブなことを書いています。それは事実です。私が見たところによればベルサイユ宮殿での展示は村上隆の作品を邪魔そうに避けている観光客も多かったですし、カタールでの展示は倉庫のような場所で数人の”現代アートファン”の観客と、やる気のない監視員だけだったのですから。アートを観る環境として整っているとはいえませんでした。また、ベルサイユなりドーハなり、そこにたどり着くまでの道中のほうがよほど私にとって魅力的だったということもあるでしょう。

どちらの展示も本当に届けなければいけない人には届いていなかったように思います。届けなければいけない人というのは、他でもない日本人です。東京都現代美術館での個展以来、村上隆自身はインタビューで「日本では金銭的に開催できない」「日本でやる意味がない」というようなことを、多少の私怨もこめた調子で幾度か述べてきたと記憶しています(これはソースを提示できないので記憶になりますが)。

たしかに西洋のアートの文脈で戦う限りは、日本で個展をしたところであまり意味がないことかもしれません。しかし、日本的な要素を意図的に盛り込んだ彼の作品は、それらの要素のルーツである日本での発表を後手に回してきたことによって、とてつもない完成度を誇りながらも結局はどこにも帰属することのない、宙ぶらりんなものとして見えていたのかもしれません。





前置きが長くなってしまいましたが、森美術館の個展は素晴らしいものでした。まず作品自体の密度と製品的完成度が凄まじいことになっており、いったいこれは何なんだという驚きは誰しもが感じることとして、個人的にはドーハやベルサイユで観たときのように喉元に引っかかるものは何もなかったことがこれまでみた村上隆の展覧会との大きな違いでした。

自分が外国人だったとして、なにを東京で見たいかといえば、当然ながら東京らしい、東京でしかみることのできないものが見たいと思うでしょう。もし自分がフランス人だとしたら、東京でマティスをことさら見たいとは思わないのではないでしょうか。

これまでのブログにも書いてきたように、私はこれまでにニースでイヴクライン、ニューヨークでジェフクーンズ、ロンドンでダミアンハースト…を見てきました。それらの作品のいくつかは過去または未来において日本でも観ることは可能だとしても、実際にその作品の出自と関わりの深い土地で見ることは、まったく意味合いが違ってくるのではないでしょうか。

東京で村上隆を観る、それは日本人にとっても外国人にとっても自然なことです。森美術館に展示されていた作品は相変わらず他の追随を許さないほどに孤独で攻撃的なところは変わりないのですが、海外で彼の作品を目にしたときとは違い、どこか地に足のついた安定感を感じることができました。森美術館のあの巨大なスペースをすっかり支配していたので森美術館はもしかしたら村上隆のための美術館かもしれないなあ、そんな考えも頭をよぎりました。村上隆の作品は日本できちんと観られるようにするべきだと強く思います。





とはいえ、私は五百羅漢図についてはやはりあまり印象には残りませんでした。私個人としては彼の作品の魅力は、平面作品においては超絶的な完成度と複雑な画面構成、立体作品においてもその複雑なフォルムを現実化させるところにあって、あくまでテクニカルな部分にあるからです。五百羅漢図は、表面的な技術をみるべきなのか、その更に奥にあるコンセプトを読み取らなければいけないのかわからなくなってしまうのです。

ポンピドゥー・メッス

今回の記事は1年前ね。時系列ガバガバ。
2012年に初めて訪れた時「俺の人生の中でこの美術館を再び訪れることができるだろうか」という心持ちで訪れたんだけど、じっさいはその2年後にあっさり再訪できているから、意外とそんなもんよね。


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2度目ということもあってさくっと行くことができました。
今回はこっちのアングルから。



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はい、ここでもカプーアです。
写真じゃ全く伝わらないけどカプーアはやっぱすごいです。カプーアの作品の前でみんな不思議そうにしてる姿は万国共通。それにしても監視員、寝すぎ。あとおしゃれ。



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はいはいボイスボイス。象みたいでかわいい。



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ヤンペイミンという中華系アーティスト。パリで流行の作家らしいよ。22才で渡仏して動画でフランス語めっちゃしゃべってる。髪なげえよ。



Le Centre Pompidou présente Paroles d’artistes… 投稿者 centrepompidou



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オラファーの小作品はどこいっても観るよなー。


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前回訪れたときのソル・ルウィットの展示が良すぎたぶん、今回はそこまで感動しなかったかなー。でもこのフランク・ステラのPolombeはクッソ良かった。


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コラージュとペイントが織りなす多層構造が謎すぎ。


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あとクリスチャン・マークレーの「ザ・クロック」も上映してて、それも観れて良かった。観たことがなかったので。


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マルジェラの足袋ブーツ、しかもペンキバージョンが展示されていたのでつい。


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これはさすがにトレスの作品だろー(自信なし)



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市街地のほうでは休日ということもあってお祭りが開催されてました。
これはなんかの果物を原料とした食品ばかりを集めた、いわゆるオンリーイベント。なんか買おうとしたけどわりと高かったし瓶詰めされてたりして重そうだったからやめた。

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仮装して車の上でダンスしてた。結局なんの祭りだったんだろう。かなり天気が怪しく見えますが、このあと大雨に降られて教会で小一時間ほど雨宿りしていました。乗らなきゃいけない電車の時間ギリギリで焦った。このあとパリに戻らずルクセンブルクに向かったんだよね。

ニース

去年の旅行の書いてなかった部分を書こうと写真フォルダを漁ってたら、3年前の旅行の写真を発見した。そういやまだニースの写真あげてなくね?ってことで取り急ぎ。例によって写真がクソ。時差3年ブログ。


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マティス美術館。あ〜マティスね〜。マティスいいよね〜(適当)


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シャガール美術館。シャガールとかいいよね〜(適当)


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ニース近代芸術美術館。
イヴクライン、バイアーズ、カプーアの展示。とくにニースでイブクラインが観れるのは感動的。手前にあるのはカルダーの彫刻。


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カプーア。グロい。


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全体像。デカい。


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イヴ・クライン。
ニースに来て海と空を見ると「そうかイブクラインのブルーはこれだったんだなー」って理解できる。


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常設展。モーリス・ルイス。


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壁にあったJRのタグ、これってあのJRかな。


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いまちょうどギロッポンでニキの展示やってるよね。行こうかな。


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トレスの作品だったような、違ったような…。


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これは…マーグ財団美術館かな。だよね?


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落ち着いた雰囲気で楽しめた。


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絶対日本じゃ飲まないし美味しく感じないだろうけど、なぜかフランスだとミント水が飲みたくなるしそれなりに美味しく感じる不思議。


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こんときちょうどニースの街中で好きな作家のジャウメ・プレンサの作品が展示されてて感動したなー。彼の有名な作品が柱の上にあるの。しかも結構な量。来て良かった!って思った。


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ホテルでカップ麺は定番。このホテルの朝食で俺は本格的にヌテラに目覚めた。自分が止まったときはすごく良いホテルだったんだけど、最近某ホテル予約サイトで調べたらすげー評判悪くなってるし値段も安くなってる。なんかあったのかな?



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とはいえ、美術館よりなにより、とにかくニースは海が最高。写真のせてないけど気候や風景がいいよね。海に行ってゴロゴロして、お腹すいたらご飯食べてダラダラするのが楽しかった。もし結婚することがあるとしたら新婚旅行はニースがいい。でも僕はしばらく無理そうなのでみんな頑張ってください。